表書きの基本マナー

表書きの本来の目的は、相手に誰が何の目的で贈ったのかを分からせるために書くものです。上段の中央に中に入っているものの名称や贈り物の目的を、下段には贈り主の姓名を上段より少し小さめに書きます。

祝儀・不祝儀袋の違い

表書きは毛筆で書くのが正式ですが、筆ペンを利用しても問題ありません。ただし、万年筆やボールペンでは線が細くなり不作法となります。

文字の色は黒に限り、結婚式などの慶事は濃い墨文字ではっきりと書き、葬儀や法要での弔事は薄墨文字で書くことになっています。これは、「悲しみの涙で墨も薄くなってしまいました」や「急に駆けつけたので墨をする間もなかった」という意味が込められています。とはいえ、薄すぎて文字が読めなくては意味がありませんので、読める程度の薄さで書きましょう。薄墨が最適ではありますが、濃い墨で書いても問題はありません。

贈る目的を明記する場合

贈る目的を明記する場合
贈る目的を明記する場合

何の目的で贈るのかを明記することで相手にわかりやすく、心遣いが感じられます。その場合は、上段中央の表書きの右横に、少し小さい文字で書きます。

また、「入学御祝」「出産内祝」など、四文字の表書きは「死文字」といって気にされる方もいるため、こういった場合にも表書きを1行では無く、2行で書く事があります。

連名で包む場合

お祝い金などを二名以上で出し合う場合は贈る側の氏名を下段中央に連名にして書きますが、お金包みの表に書いて良いとされているのは3名までです。それ以上の人数になる場合は、代表者の名前の左横に「外一同」と書き、全員の氏名を書いた紙をお金包みの中に入れておきます。この時「寿」や「お祝い」などの名目の文字を中央上段に記し、下側に右側から目上の順で全員の氏名を揃えて書きます。

外一同とした場合の別紙
連名別紙

連名の書き方は右から目上の順に並べて書きますが、上下関係が無い場合は五十音順にするとよいでしょう。さしあげる相手が目上の人で、特に敬意を表す必要のある場合は、包みと同質の紙で短冊を作り、その紙に表書きを書いて水引に挟むと美しく仕上がります。結婚式のご祝儀の場合は、贈る相手が目上の人でないときでも、短冊に表書きを書いて水引に挟むスタイルが一般化しています。

夫婦連名で贈る場合

夫婦連名で贈る

夫はフルネームで妻は名だけ書きます。夫の名前を中央にし、妻の名は夫の名の隣に揃えるようにします。
三人連名で贈る場合

三人の連名で贈る

右から目上の順に並べて書きます。上下関係が無い場合は右から五十音順にするとよいでしょう。
外一同と書いて贈る場合

外一同で贈る

贈り主が3名以上の場合は、代表者一名の姓名を書き、その左横に一回り小さい字で「外一同」と書きます。外一同だけでは全員の名前が分からないため、半紙や奉書紙などの別紙に全員の名前を書きお金と一緒に中包みに入れます。
宛名を書いた連名で贈る場合

宛名を書いた連名で贈る

先方の名前に近い方(左端)が一番目上の人になり、右端が一番目下の人になります。
会社一同から贈る場合

会社一同などで贈る

職場や部署や同僚が集まって贈る場合には、表に「〇○部一同」「〇○有志」などとします。その上で別紙の半紙などに各人の氏名を書き、中包みに同封します。
会社名・部署・肩書などを入れて贈る場合

会社名・肩書を入れて贈る

会社の取引先など、自分の氏名だけでは分かりづらくなる場合には、氏名の右肩に一回り小さめの文字で会社名・部署名などを入れます。

短冊を使う場合

短冊の使用例

包む金額が高額の場合、それに見合った豪華な祝儀袋を使いますが、一般的に装飾が豪華になるほど金包み自体も高額になります。当然、袋に直書きする場合は修正が効かないためミスは許されず、特に水引の飾りなどの関係で表書きを書く位置に迷うことがあります。

そういった時には袋と同質の紙で短冊を作り、それに表書きを書いて水引の下の文字が見えやすい位置に挟みます。この時、短冊が落ちてしまわないように裏面にのりや両面テープで固定すると良いでしょう。

最近では、金包みを購入すると短冊が何枚か同封されていることがあるので、表書きの位置決めに悩んだときや、直書きが不安な方は短冊を活用すると良いでしょう。

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